Co-creAction Award 2017開催レポート

Co-creAction Award 2017開催レポート

企業とNPOの共創プラットフォームCo-creActionは『企業×NPOによるイノベーションの今と未来』と題して、2017年3月4日(土)に東京・大手町の3×3 Lab Futureにてセミナーを開催しました。また昨年に続き、企業から出された“共創テーマ(お題)”に対して、NPOが提案をし、その最優秀賞・優秀賞を発表するCo-creAction 2017授賞式も開催され、土曜のお昼にも関わらず多くの方々にご参加いただきました。当日の模様をお届けします。

 

企業とNPOによるイノベーションの可能性


(Co-creAction事務局 永井恒男氏による基調講演)

(Co-creAction事務局 永井恒男氏による基調講演)

 

Co-creAction事務局の永井恒男氏(アイディール・リーダーズ株式会社 代表取締役)が登壇し、基調講演を行いました。昨今ヨーロッパを中心に広がっているオープンイノベーション2.0の動きを引き合いに、企業1社だけで取り組むのではなく、もっと社外のプレーヤーを巻き込む流れが加速していくと言います。その中には、他の企業、大学に加え、NPOが重要な役割を担うことになる、と永井氏は強調します。企業ではなかなか持ち得ない専門性・ノウハウ・経験・ネットワークが、NPOの強力な武器です。

 

企業の側でも変化は起きつつあります。従来のCSR(企業の社会的責任)からCSV(共通価値の創造)へと舵を切る企業が出てきているのです。つまり、本業を通じて社会課題の解決に取り組んでいる企業が多く現れ始めているそうです。H.I.S、ディライトクリエイション、太陽ホールディングスなど、名だたる企業でそうした動きが始まっています。今後、ますます企業とNPOが手を組んでイノベーションを生み出す可能性が高まっていく予感がしました。

 

共創事例①「NPO法人チャリティーサンタ」×「Yahoo!ショッピング(Yahoo!ジャパン)」


(NPO法人チャリティーサンタ代表理事 清輔夏輝氏による事例紹介)

(NPO法人チャリティーサンタ代表理事 清輔夏輝氏による事例紹介)

 

永井氏の基調講演を受けて、いよいよ企業×NPOによる共創事例についての講演です。話し手は、サンタクロースを通じて社会貢献を行なうNPO法人チャリティーサンタ代表理事 清輔夏輝氏です。メインの「サンタ活動」では、保護者からプレゼントと子どもへのメッセージを預かり、独自のサンタ研修を受けたボランティアが、直接子ども達を訪問して手渡します。

 

そんなユニークな活動を行なうチャリティーサンタと組んだのが、日本最大級のECサービスを展開するYahoo!ショッピング。彼らの悩みは、ITサービスゆえのお客様との接点不足という課題。お客様がどんな人たちなのかを本当の意味で分かっていないのではないか、というところにあったそうです。そこで、Yahoo!ショッピングのお客様の自宅をサンタとして訪問して、社員が直接プレゼントを届けに行くという企画を行なうことに。会場ではその様子が映像で流れましたが、お客様がもれなく大喜びしてくれる様子を見て、社員の方々が「初めてお客様の顔を見た気がする」と感動していたのも納得でした。

 

共創事例②「認定NPO法人育て上げネット」×「スタディサプリ(リクルートマーケティングパートナーズ)」


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(NPO育て上げネット理事長 工藤啓氏と、スタディサプリ公教育領域責任者 小野村学氏による事例紹介)

 

次に紹介された共創事例の話し手は、認定NPO法人育て上げネット理事長 工藤啓氏と、リクルートマーケテイングパートナーズの小野村学氏です。工藤氏が理事長を務める育て上げネットでは、すべての若者が「働く」と「働き続ける」を実現できる社会を目指して就労支援を行なっています。一方、小野村氏が公教育領域の責任者を務めるスタディサプリは、小中高生向けにPCやスマホで「神授業」が視聴できるウェブ学習サービスを提供しています。お二人の対談からは、企業とNPOのコラボレーションの非常にリアルな現場が見えてきました。

 

まず工藤氏が語ったのが、企業と組む際にはオープンマインドであることが大事ということ。例えば、事業としては競合してしまう場合でも連携の可能性を排除するのではなく、手を組めるところは組みましょうというスタンスを大切にする、ということでした。さらに、企業の担当者が目指す成果をNPOに言いづらいことがあると、企画自体がうまく組めなくなる。早い段階で「目指す成果はなんでしょうか?」と企業側にストレートに聞いてしまうそうです。

 

次に小野村氏が、今回僕らが作りたかった成果は事例です、と話を引き継ぎます。スタディサプリを利用してもらう際に、動画を見ながら問題を解くということが、厳しい家庭環境にあり、低学力の子ども達にとってどれぐらい現実的な方法なのか、という点を検証したかったのです。ところが事業立ち上げ当初リクルート側には教育委員会などとのネットワークがなかったので、すでに信頼関係を築いている育て上げネットの力を借りたと言います。このように、企業が持っていないネットワークやリソースを独自の形で構築しているのが、まさにNPOならではの強みでもあるなと感じました。

 

また工藤氏は、最近の世の中の動きについて2つの点を指摘します。1つは他者に対する不寛容度合いが高まっている点。例えば生活が困窮している子どもたちを優先的に支援しようとすると、それ以外の子どもたちに対して説明がつかないという理由で稟議のハンコが途絶えてしまう。そんな時には、最初は小さく始めておき、後で大きく育てるのが関係者を巻き込むコツだそうです。

 

2つ目は、1社1法人だけで頑張るのではなく、コレクティブ・インパクトで動かす方向に向かいつつあるという点。工藤氏に相談に来る企業の中には「お金が出なくて……」と恐縮してくるケースがあるそうですが、お金がなくても、ないなりにやり方はあると言います。複数のプレーヤーが協働して課題解決に必要なお金や人を出し合うことが当たり前になってくれば、より”共創”という方向に向かうのでは、とのことでした。

 

Co-creAction 2017 最優秀賞・優秀賞表彰式


いよいよメインイベント、最優秀賞・優秀賞の表彰式に移ります。各企業から募ったたくさんのお題に対して、特に優れた提案を行なったNPOが表彰されます。賞の選出に当たっては「具体性 × 新規・革新性 × 実現可能性 × 発展性」の観点から審査が行なわれました。早速、受賞NPOを紹介します!

 

最優秀賞:「放課後NPOアフタースクール」

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(ディライトクリエイション 神谷氏によるお題紹介)

 

お題を出した企業は、ホームパーティを楽しくする食品・雑貨を販売するECサイト「ホムパリ」運営や、子どものクリエイティビティを高める工作キットを販売するディライトクリエイション。自社で扱う商品をもっと子どもたちに活用してもらうための仕掛けを募集しました。このお題に応募したのが、放課後NPOアフタースクール。共働き世帯の増加などで、対応が急がれている小学校の放課後事業(アフタースクール)の運営を、地域や社会の「市民先生」と協力して行なっている注目のNPOです。

 

(放課後NPOアフタースクール 植村氏によるプレゼンテーション)

(放課後NPOアフタースクール 島村氏によるプレゼンテーション)

 

当日は放課後NPOアフタースクール島村氏から、ディライトクリエイション神谷氏に向けてプレゼンが行われました。プレゼンでは「子どもたちがブレッドボウル(ホムパリ取り扱い商品)を中心としたパーティを企画する」など、放課後NPOアフタースクールの持つ場やネットワークを活かしたアイデアが計5つ提案されました。神谷氏からも、前向きに検討していきたいというコメントがありました。

 

優秀賞:「NPO法人ちぇぶら」

(ワタミ執行役員 大根田氏によるお題紹介)

(ワタミ執行役員 大根田氏によるお題紹介)

 

お題を出した企業はワタミ。居酒屋など外食チェーンの印象が強いワタミですが、実は、高齢者向け夕食宅配事業は6年連続売上NO1!この宅食事業を支えるのが全国約8千人の「まごころさん」と呼ばれる宅配スタッフです。しかし今は、その働きやすい環境や仕事の魅力があまり認知されておらず、スタッフが十分に足りていません。そんな課題を解決するべく応募したのが、更年期を迎える女性をサポートしているNPO法人ちぇぶら。ちぇぶらは、すべての女性に訪れる更年期を自分らしく、美しく生きるためのサポートをしています。

 

当日は、ちぇぶらから「まごころさん」募集を後押しするアイデアなど、計3つの提案がありました。ちぇぶら代表理事の永田氏は、更年期の正しい知識を持ち適切な身体のケアを行うことは、女性の活躍につながると言います。また、50歳を境目に女性の就業率が大きく下がりますが、この時期の女性たちは体調の変化だけでなく、介護や子育てなどの問題を抱えており、そんな中でも自由なスタイルで働ける「まごころさん」という働き方が、多くの女性の社会復帰を後押しするのでは、とのプレゼンをいただきました。プレゼン後は、ワタミで宅食事業を担当する大根田執行役員から「協働の可能性を探っていきましょう」とのコメントがよせられました。

 

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(ちぇぶら代表理事 永田氏によるプレゼンテーション)

 

次年度の取り組み


最後にCo-creAction事務局の丹羽氏から、2017年度も引き続き企業からのお題募集と、お題へのNPOからの応募を募っていきます、とアナウンスがありました。ますます注目を集める企業、NPOなどの垣根を越えた”共創”や、オープンイノベーションの取り組みにご関心のある方は、Co-creActionのプラットフォームに参加してみてはいかがでしょうか?

 

※Co-creAction2016の様子は以下からご覧いただけます。

Co-creAction Award 2016開催レポート

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参加企業様

2017年

ワタミ株式会社 株式会社ディライトクリエイション 株式会社東急不動産次世代技術センター 株式会社エイチ・アイ・エス アデコ株式会社

2016年

日本たばこ産業株式会社 太陽ホールディングス 帝人フロンティア・旭化成アドバンス 東急不動産株式会社 エコッツエリア

協力

NPOサポートセンター 朝日新聞メディアラボ オルタナS 三井不動産株式会社

後援

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